専門研修プログラム 北海道大学病院リハビリテーション科専門研修プログラムについて

専攻医の到達目標―習得すべき知識・技能・態度―

研修プログラムで習得するべき各項目と到達レベルの目安は日本リハビリテーション医学会「リハビリテーション科専門研修カリキュラム」で確認することができます。

カンファレンスの目的―チーム医療の運営―

・チーム医療を基本とするリハビリテーション領域では、カンファレンスは、 研修に関わる重要項目として位置づけられます。 情報の共有と治療方針の決定に多職種がかかわるため、カンファレンスの運営能力は、基本的診療能力だけでなくリハビリテーション医に特に必要とされる資質となります。 具体的には、各専門職種からの情報を統合して症例の問題点を医学的見地から把握し、必要な治療や環境調整を各職種にフィードバックしていきます。 ・ 医師および看護師・リハビリテーションスタッフによる症例カンファレン スでは、症例に直接関わっていないスタッフも参加することにより、それぞれの担当者の診断や治療方針が妥当かどうかを評価します。 その際に、専攻医の積極的な意見の発表が望まれます。 ・ 週に1回、リハビリテーションの依頼が最も多い整形外科病棟と脳神経外科病棟・神経内科病棟・救急科病棟の回診を実施しています。個々の症例を詳細に診ていく目的ではなく、広く全体をみていくことで多種多様な疾患を診ていき、その経過や転帰がどのようになるかを把握していきます。

・北海道大学病院では、2週に1回勉強会を実施しています。英文の教科書や論文をまとめて交代で発表することで、最新の知識や情報を入手するとともに、リハビリテーションに関係する英文教科書や文献を読むことに慣れることができます。 ・年に3、4回市内近隣のリハビリテーションを中心に活動している病院の医師・リハビリテーションスタッフが参加するカンファレンスを実施しています。一般にありふれた疾患に対するリハビリをどのように実施しているかなど、情報交換することでお互いのスキルアップを図っています。 ・ 症例経験の少ない分野に関しては、日本リハビリテーション医学会が発行する病態別実践リハビリテーション研修会のDVDなどを用いて積極的に学んでください。 ・ 北海道大学病院では、年に2回以上医療安全および院内感染対策の講習会受講が義務付けられています。その他にも、自由参加のセミナーを開催している診療科も多くあります。論文を書くための統計学や医療英語講習会も不定期に開催していますので積極的に参加してください。 ・日本リハビリテーション医学会の学術集会、地方会学術集会、教育講演、その他各種研修セミナーなどに参加して、標準的医療および今後期待される先進的医療を学んでください。

学問的姿勢について

当科で参加するべき学会について

専攻医は、医学・医療の進歩に遅れることなく、常に研鑽、自己学習することが求められます。患者の日常的診療から浮かび上がるクリニカルクエスチョンを日々の学習により解決し、今日のエビデンスでは解決し得ない問題は臨床研究に自ら参加、もしくは企画する事で解決しようとする姿勢を身につけるようにしてください。学会に積極的に参加し、基礎的あるいは臨床的研究成果を発表してください。得られた成果は論文として発表して、公に広めると共に批評を受ける姿勢を身につけてください。

リハビリテーション科専門医資格を受験するためには以下の要件を満たす必要があります。 「本医学会における主演者の学会抄録2篇を有すること。2篇のうち1篇は、本医学会地方会における会誌掲載の学会抄録または地方会発行の発表証明書をもってこれに代えることができる。」となっています。

医師に必要なコアコンピテンシー、倫理性、社会性などについて

 

医師として求められる基本的診療能力(コアコンピテンシー)には態度、倫理性、社会性などが含まれています。内容を具体的に示します。

1) 患者や医療関係者とのコミュニケーション能力を備える
医療者と患者の良好な関係をはぐくむためにもコミュニケーション能力は必要となり、医療関係者とのコミュニケーションもチーム医療のためには必要となります。基本的なコミュニケ―ションは、初期臨床研修で取得されるべき事項ですが、障害受容に配慮したコミュニケーションとなるとその技術は高度であり、心理状態への配慮も必要となり、専攻医に必要な技術として身に付ける必要があります。

2) 医師としての責務を自律的に果たし信頼されること(プロフェッショナリズム)
医療専門家である医師と患者を含む社会との契約を十分に理解し、患者、家族から信頼される知識・技能および態度を身につける必要があります。

3) 診療記録の的確な記載ができること
診療行為を的確に記述することは、初期臨床研修で習得されるべき事項で すが、リハビリテーション科は計画書等説明書類も多い分野のため、診療記録・必要書類を的確に記載する必要があります。 4) 患者中心の医療を実践し、医の倫理・医療安全に配慮すること
障害のある患者・認知症のある患者などを対象とすることが多く、倫理的配慮は必要となります。また、医療安全の重要性を理解し事故防止、事故後の対応がマニュアルに沿って実践できる必要があります。

5) 臨床の現場から学ぶ態度を習得すること
障害像は患者個々で異なり、それを取り巻く社会環境も一様ではありません。医学書から学ぶだけのリハビリテーションでは、治療には結びつきにくく、臨床の現場から経験症例を通して学び続けることの重要性を認識し、その方法を身につけるようにします。

6) チーム医療の一員として行動すること
チーム医療の必要性を理解しチームのリーダーとして活動できることが求められます。他の医療スタッフと協調して診療にあたることができるだけでなく、治療方針を統一し、治療の方針を患者に分かりやすく説明する能力が求められます。また、チームとして逸脱した行動をしないよう、時間遵守などの基本的な行動も要求されます。

7) 後輩医師に教育・指導を行うこと
自らの診療技術、態度が後輩の模範となり、また形成的指導が実践できるように、学生や初期研修医および後輩専攻医を指導医とともに受け持ち患者を担当してもらいます。チーム医療の一員として後輩医師の教育・指導も担うのと同時に、他のリハビリテーションスタッフへの教育にも参加して、チームとしての医療技術の向上に貢献してもらいます。教育・指導ができることが、生涯教育への姿勢を醸成することにつながります。

施設群による研修 プログラムおよび地域医療についての考え方

1)施設群による研修

本研修プログラムでは北海道大学病院リハビリテーション科を基幹施設とし、地域を中心とした連携施設とともに病院施設群を構成してします。専攻医はこれらの施設群をローテートすることにより、多彩で偏りのない充実した研修を行うことが可能となります。これは専攻医が専門医取得に必要な経験を積むことに大変有効です。リハビリテーションの分野は領域を、大まかに8つに分けられますが、他の診療科にまたがる疾患が多く、さらに障害像も多様です。急性期から回復期、維持期(生活期)を通じて、1つの施設で症例を経験することは困難です。このため、複数の連携施設で多彩な症例を多数経験することで医師としての基本的な力を獲得します。

また、医師としての基礎となる課題探索能力や課題解決能力は一つ一つの症例について深く考え、広く論文収集を行い、症例報告や論文としてまとめることで身についていきます。このことは大学などの臨床研究のプロセスに触れることで養われます。北海道大学病院研修プログラムのどの研修病院を選んでも指導内容や経験症例数に不公平が無いように十分に配慮します。 施設群における研修の順序、期間等については、個々の専攻医の希望と研修進捗状況、各病院の状況、地域の医療体制等を勘案して、北海道大学病院専門研修プログラム管理委員会が決定します。

2)地域医療の経験

連携施設 A では責任を持って多くの症例の診療にあたる機会を経験すること ができます。一部の連携施設 A では、地域医療における病診・病病連携、地域包括ケア、在宅医療などの意義について学ぶことができます。

 目次

  • 研修カリキュラム制による研修について
  • リハビリテーション科研修の休止・中断、プログラム移動、プログラム外研修の条件
  • 専門研修指導医
  • 専門研修実績記録システム、マニュアル等について
  • 研修に対するサイトビジット(訪問調査)について
  • 専攻医の採用と修了
  • 専門研修プログラム管理委員会について
  • 専門研修プログラムの改善方法
  • 修了判定について
  • 専攻医が専門研修プログラムの修了に向けて行うべきこと
  • Subspecialty 領域との連続性について

連絡先 011-706-6066 (研修担当者 池田 聡)
rehabilitation@huhp.hokudai.ac.jp

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