高次脳機能障害リハビリテーション Q&A
高次脳機能障害の診断について
高次脳機能障害と診断されるのは以下のような場合です。
- 脳の器質的病変の原因となる受傷や疾病の事実があり、
その病変をMRI、CT、脳波などにより確認できる(あるいは診断書により確認できる)。
- 現在、日常生活に制約があり、
その主たる原因が、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害である。
- 次の場合は除外する。
- 失語症のみの場合。
- 受傷または発症以前からある症状と検査所見。
- 先天性疾患、周産期の脳損傷、発達障害、進行性疾患を原因とする場合。
高次脳機能障害でよくみられる症状は以下のとおりです。
障害の種類 |
具体例 |
記憶障害 |
新しいことを覚えられない。以前覚えていたことを思い出せない。 |
注意障害 |
ミスが多い。集中できない。ものを見つけるのに時間がかかる。
同時に複数のことができない。 |
遂行機能障害 |
計画を立てて要領よく行動できない。予定どおりに仕上がらない。
約束の時間に遅れる。 |
社会的行動障害 |
お金を無制限に使う。ささいなことで感情を爆発させる。
人付き合いができない。こだわりが強い。うつ状態。 |
Q&A(高次脳機能障害の診断について)
- 高次脳機能障害の診断はどのようにする?
診察、画像検査、神経心理学的検査、家族などからの情報を元に総合的に判断します。
- 脳挫傷が認められるが、神経心理学的検査(知能・記憶・注意・遂行機能検査)では異常はないので、高次脳機能障害ではないと思うが…
高次脳機能障害は神経心理学的検査のみでは判断できません。
家族などから高次脳機能障害が疑われる状況が起こっていないかを聴取して下さい。
- 本人、家族とも受傷前と変わらないと言っているが…
本人は病識がないことが多いので注意が必要です。
仕事に復帰してから高次脳機能障害が顕在化することもあるので、最初は家族もわからないことがあります。